もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「なっちゃん、上がっていかないの!?」


とにかく、この場所を通過したい優衣。


母親の視線を気にしながら、あれこれ摸索する。


「今日はちょっと用があって、陽太にCD借りたらすぐに帰らなきゃいけないの」


(そっか、なっちゃんは陽太が下りてくるのを待ってるんだ……。アイツ、何、もたもたしてんのよ)


「もーっ、愚図なんだから! すぐに呼んでくるからね」


「えっ、まだ全然……」


夏月の言葉も終わらないうちに、優衣は階段を駆け上がった。