もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「まぁ、なっちゃんは傘持ってたのに、こんなに濡れちゃって! うちの子供達は、人様に迷惑を掛けてばかりで恥ずかしいわぁ」


嫌みの込められた、母親の言葉が突き刺さる。


「プッ、この雨で相合い傘はないでしょ」


身を潜めたまま鼻で笑う優衣。


『僻み(ひがみ)カイ!?』


おじさんは、ポケットからヒョッコリと顔を出した。


「もう、おじさんは隠れててよ」


『ハイハイ……』


そうこうしながら2階に上がるチャンスを待っている優衣に、更なる試練が……。


「……えっ、優衣ちゃん帰ってるの!?」


夏月が、優衣を探している様子。


(なっちゃん、お願いだから今日は放っておいてーっ)


優衣は祈るように固く目を閉じた。


が、そうはいかなかった。