おじさんは泣きじゃくる優衣を気にしながら、笑顔で振り返る2人の妖精のあとを追うように、朝陽に向かって歩きだした。


(素直じゃない私に、たくさんの大切なことを教えてくれたおじさん……。私はおじさんに、何もしてあげられないの?)


優衣は、涙を拭いて立ち上がった。


(せめて、お礼くらい……。お礼だけは言わなきゃ!)


優衣は、おじさんの後ろ姿に向かって、大きな声で叫んだ。


「おじさーーーんっ! おじさん、ありがとーーーーーっ!! おじさんと出逢えてよかったぁーーーっ! おじさーーんっ、だーい好きだよーっ!」