もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

(そんなこと、できる訳ないじゃない)


聞こえない振りをして、バスルームのドアに鍵を架ける。


すぐにポケットを開いた。


「おじさん、お待たせ」


『モーッ、力いっぱいに押さえつけるカラ、死にそうダッタヨ!』


眉間にシワを寄せて見上げるおじさん。


「あっ、ごめんなさい……」
(せっかく連れてきてあげたのに……、可愛くなーいっ!)


優衣は、口を尖らせた。


「とりあえずシャワー浴びちゃうから、ここに居て下さい」


『アーイ』


洗濯機の上にタオルを敷いて、その上におじさんをそっと乗せる。


おじさんはクルリと背を向けると、あぐらをかいて座った。


(一応、気を遣ってくれてるんだぁ)


おじさんのその後ろ姿に微笑みながら、急いでシャワーを浴びる。