もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

家の前まで来ると、ポーチで一端立ち止まった。


レインコートの水滴を軽く払ってからポケットを覗いてみる。


「おじさん、大丈夫ですか?」


『アァ、何とか……』


様子を窺いながら忍び寄り、そーっとドアを開ける。


(やっぱり……)


玄関では、仁王立ちの母親が待ち構えていた。


「どこに行ってたの?」


「あっ、ちょっとバス停に……。なんか、忘れ物しちゃったみたいで……」


白々しく愛想笑いをする優衣。


「全く……、早くシャワー浴びちゃいなさい」


「はぁい」


そのまま、バスルームに突進する。


「ちょっと、優衣ーっ! コートは脱いでいきなさい」