もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

小心者で調子のいい、小さなおじさん……。


優衣はなぜか、このおじさんがとても愛しく思えてもう放ってはおけなかった。


「そういえば、おじさんみたいな人が、あと2人居ましたよね?」


『アイツらなら、ソレゾレ自分達の持ち場に向かってイッタ』


(自分達の持ち場!?)


意味不明な言葉に、眉をしかめる優衣。


深く考えていたら頭がおかしくなりそうなので、(ま、いっか)と、立ち上がった。


「とりあえず、ここに入ってて下さい」


おじさんに近付いていき、レインコートのポケットを開く。


『アイヨ』


おじさんは、ポケットの中に飛び込んだ。


(えっ、軽い……)


少し膨らんだポケットを押さえながら、待合所を出る。


激しい雨の中、来た道を一気に戻る。