もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

朝の勢いは、完全に消えてしまった優衣。


廊下を歩く人影に怯えながら、教室からは1歩も出ないという地獄のような1日も、間もなく終ろうとしていた。


「あれーっ、あそこ歩いてるの大谷と沙也香じゃない?」


その一声で、教室に居た生徒達が窓際に吸い寄せられていく。


流れに従うかのように歩み寄り、校庭を見下ろす優衣。


その目に映ったものは……、


(えっ……)


大谷と沙也香が、寄り添って歩く後ろ姿。


時は止まり、


2人を批評するみんなの声だけが、賑やかに流れている……。


「うっそーっ!」
「付き合ってたのっ!?」
「でも、あの2人、意外にお似合いかもっ!」


(そっかぁ……、そうだったんだぁ……。私って、バカだなぁ)


「なんでっ、大谷は優衣じゃなかったのっ」
「私もそう思ってた!」

それぞれの意見が飛び交っている。


「やだぁーっ、そんな訳ないじゃん」


訂正しながらも、2人の後ろ姿を淋しそうに見つめる……。