もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

優衣は、込み上げてくる全ての感情を静めると、得意の笑顔で言った。


「大谷っ、沙也香をよろしくねっ」


そして、大谷の腕をそっと払うと、そこからまた勢いよく滑りだした。


何もかもから逃げだすように……、


スピードを思いっきり上げて……。


速度が増していくのと同時に、抑えていた感情が溢れだす……。


堪えていた涙が、こぼれ落ちる……。


どうしようもないくらい、大谷への想いでいっぱいになってしまう……。


「もう、追いかけてこないでよっ、ヒック……」


「優しくしないでっ、ヒック、ヒック……、エェーーン……」


白い世界の中で、ただ1人泣き叫ぶ優衣。


強い風の音が、大きな悲しみを優しく受け止めてくれる。


(大谷は、沙也香の大切なひと! 大谷は、私が好きになっちゃいけないひと! 大谷は……、ただの友達)