もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「キャーッ、無理かもーっ!」


沙也香は、立ち上がるのにも一苦労。


とても滑れる状態ではない。


「取り合えず俺達は滑ってくるから、2人はここで練習してて」


(はぁ〜っ!?)


もはや、熱血バトルのことで頭がいっぱいになっている大谷は、仕切りやの工藤を説得してリフト乗り場に直行する。


「全く……、なんで大谷が仕切ってんのっ!」


不満そうな優衣を、沙也香が淋しそうに見つめる。


「優衣も滑ってきたら。大谷が居ないんじゃ意味ないし……」


ふてくされて座り込む沙也香。


優衣は、つい熱くなってしまった自分を反省する。


「私も久しぶりだから、2人で練習しよ! すぐに滑れるようになるからっ」


「……うん、そうだよねっ。私、滑れるようになりたい!」


沙也香は、ボードを取り付けて立ち上がった。