もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

環境委員の冬の朝は、正門付近の雪掻きから始まる。


そして、恒例の挨拶運動。


「おはようございます!」
「お早うございます」


新しい雪にはしゃぐ生徒。


寒さに震えながら登校してくる生徒。


その流れの遥か向こうから、あの男が走ってくる……。


いつかの朝と同じ。


大谷が、全速力でぐんぐんと近付いてくる。


目を逸らせずに見つめる優衣。


その時、その視界を遮るかのように、反対側に立っていた沙也香が走り寄った。


「おはようっ」


少しはにかんだ笑顔で、大谷を見つめている。


「あっ、おはよ」


それに答える大谷。


そんな2人の行動が、優衣にはなぜか悲しい。


(はぁ〜っ、病み期かもっ……)