もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

濃紺のダッフルコートにチェック柄のマフラーで防寒準備を整え、優衣は白い道を歩く。


「冷たぁーいっ」


久しぶりの雪を手に取り握り締めると、きしむ音がした。


サラサラと払い落としながら、いつもより1本早いバスに乗る。


大谷も瑞希も乗ってこないそのバスは、緩やかな速度で白い世界を走っていく……。