もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「おかしなことを言いますねー。27年じゃないですか」


「あっ、そうでした! 27年ですよねっ」


(これ以上は、もう聞けない……。怪し過ぎるよーっ)


「1人で帰れますか?」


「はいっ、もう大丈夫です」


「では、ごきげんよう」


「あっ、ごきげんで」


その女学生は、優衣の変な挨拶と笑顔に微笑みを返し、軽く会釈をすると人混みに消えていった。


訳も分からず……、


優衣も歩きだす。


独り言をブツブツと呟きながら、走ってきた道を戻っていく。


「27年って……、いったいいつの27年なの!?」


優衣は、辺りを見渡した。


「昭和なら、もう少し洋服が浸透してるはず……」


「大正は確か、15年までだし……」


「明治? その前は江戸だから、軍人じゃなくて侍だもんね」


「うんうん、それっぽい……。ここは、明治27年の日本だよ!」