もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

そんな絶望的な優衣を支えてくれる、優しい手。


抱きかかえ、自分の体を張ってかばってくれている。


「大丈夫ですか?」


声を掛けられた優衣は、その人の顔を見て驚いた。


(瑞希!?)


瑞希にそっくりな女学生が、優衣の着物の汚れを払い落としてくれている。


「私の兄も、今の汽車で旅立っていきました。お互い辛いけれど、頑張って帰りを待ちましょうね」


瑞希によく似ているが、よく見ると、品のいいお嬢様である。


「ありがとうございます……」


優衣は、やっとの思いで立ち上がった。


「痛っ!」


その瞬間、背中に激しい衝撃が……。