もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

しっかりと繋がれた手と手……、


恋しそうに、優衣を見つめる大谷。


(大谷っ! 降りた方がいいよ!!)


そこに居る優衣は、溢れそうになる涙を堪え、張り裂けそうな胸を抑え、必死に笑顔を作っている。


汽車の速度が増していく……。


それでも優衣は、大谷の手を離さずに追い掛ける。


更に、速度が増していく……。


汽車が無情に勢い付いたその時、


大谷は思いっきり身を乗り出し、最後に優衣の手を力強く握ると、名残惜しそうにその手を離した。


どちらの優衣も、もう自分の感情を抑えることができない。


そこに居る優衣が叫ぶ。


「絶対に、生きて還ってきて下さい!」


優衣が叫ぶ。


「大谷ーーーっ!!」


大谷は悲しそうに微笑みながら、大きく頷いた。