もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

着物の乱れを正しながら、また、歩きだす……。


その先に、


窓を全開にして身を乗りだし、やはり誰かを探している男が見えた。


(あっ……)


そこに居る優衣が、その男に走り寄る。


前に見た夢で、優衣の主人だと教えられた人……、


その人はやはり、


(なんでっ、大谷!???)


大谷にそっくりなあの軍人が、走り寄る優衣を見つけて嬉しそうに微笑んでいる。


(嘘でしょ!?)


真っさらな軍服を凛々しく着こなし、見送りの人達に挨拶をする大谷。


誰がどう見ても、これから戦地に旅立っていくということは一目瞭然である。


(大谷……、戦争に行っちゃうの!?)


動揺する優衣とはうらはらに、そこに居る優衣は凛とした姿勢で、大谷を見送る人達に挨拶をしている。


その時、汽笛が悲痛な声を挙げ、重苦しく鳴り響いた。