もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

すぐに携帯が手に当たった。


けれど……、


その携帯を取り出すことができない。


優衣は、大谷の目の前で、工藤の携帯と自分の携帯が繋がることに抵抗があった。


「ほらほら、何やってんだー。早く仕事に就く!」


突然、従業員室の奥から店長が現れた。


「優衣ちゃん! アドレスは、そんな簡単に教えるもんじゃないぞっ。ひろになんか教えたら、大変なことになっちゃうんだからなっ」


(えーーーっ!! いつから居たのーっ!)


気まずそうに、笑って頷く優衣。


「なんだよっ、それ!」


悔しがる工藤と、人事のように素知らぬ顔をする大谷。


(なんか……、助かったぁーっ。店長が大人に見えるーっ)


そのあと3人は、何もかも中途半端な状態で仕事に就いた。