もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

次の瞬間、人波は更に激しくなり、もう細かいことを考える余裕すらない。


握られた大谷の左手だけを頼りに、ひたすら歩き続ける。


大きな手のひらから伝わる温もり……。


なぜか懐かしくて……、


とても愛おしい……。


大谷の手のひらにすっぽりと包まれた優衣の右手は、その温もりを素直に受け入れられる。


そのまま、人波を交わしながら急いで歩き続ける……。


やっとの思いでバス停に辿り着くと、すぐに最終のバスが到着した。


「危ねーっ! ギリギリじゃん」


2人は、4〜5人しか乗っていないバスに飛び乗り、1番後ろの席に並んで座った。