もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「はぐれてんじゃねーよ!」


怒鳴りつけてくる大谷に、優衣は反論できない。


(私だって、怖くて泣きたいくらいなのに。そんなに怒らなくたっていいじゃん)


ゆっくりと歩きだす大谷に、びびりながら付いていく……。


「捕まってて」


大谷に圧倒されてしまった優衣は、黒いシャツの裾を一応つまんでみた。


けれど、すれ違う人達の勢いですぐに離れてしまう。


大谷は一瞬考えてから、


ゆっくりと優衣の右手を握った。


「ちょっとーっ」


迷惑そうに驚く優衣。


「しょうがねーだろ! こっちは店長に頼まれてんだからっ」


(手ぇ繋いじゃったじゃん! 初めてなのに……、こんな簡単な感じでいいの?)