もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「よっ、姉ちゃーん! ヒック」


並行して歩いていた、酔っ払いの中年男が絡んできた。


その男を無視して、強気で歩き続ける。


(最悪……、ちょーうざいっ。どっか行ってよ!)


素知らぬ顔で歩く優衣の腕を、その男は乱暴に掴んだ。


(ゲッ、まじ!)


「なんだよ、愛想がないなぁ。ちょっと付き合ってよーっ、ヒック」


「離してよ!」


賑わう雑踏の中、その腕を振り払おうと暴れまくる。


投げ飛ばすかという勢いで気合いを入れたその瞬間、


優衣の身体は簡単に解放され、バランスを崩し振らついた。


「えっ!?」


振り返ると……、


怒りをあらわにした大谷が、その男の腕を掴んで睨みつけている。


「ちぇっ、なんだよ。男付きかよ!」


あっさりと退散していく中年男。