病院を出て交差点の信号で足を止めたとき、彼は思い出したように口を開いた。 「新島慎太郎、君は?」 「…え?」 あまりにも唐突だったから、それが自己紹介で、私の名前を聞いていることを理解するのにたっぷり10秒は要してしまった。 「あ…一ノ瀬ゆうき…です…」