気分屋さん

「ありがとうございました!私の方も送りますね」



「はい」



そうして、連絡先交換を終えたのだった。



「ありがとう…ございます?」



今、交換したばかりの電話帳を開くと名前には"気分屋さん"と載っていた。



「気分…屋さん?」



「はい、僕は今"気分屋さん"と言います。よろしくお願いしますね、霧島 友紀さん」



「あっ…こちらこそ、よろしくお願いします、気分屋さん」



そうして、名前も分かったところでケータイの時計に目を落とすと時刻は23時を越えていたのだった。