ざまぁみろ……と意地悪な自分が心で呟く。と、
『あの……話、もとに戻してもいいかな?』
 思いがけない翠葉の申し出。今までだったら事の成り行きを見守ってるだけだった気がする。
 これも、成長、なのかな……。
「確か、明日の六時五十分発だったよな」
『うん』
「秋斗先輩の性格なら、一時間前には空港に入ってるな……。ホテルで捕まえるのが一番確実だけど――」
 どこで捕まえるべきなのか……。
「あんちゃん、大丈夫。秋斗さん、搭乗までは空港のVIPルームで過ごすことになってるから。そこに行けば問題ない」
「そこって簡単に入れるのか?」
「俺がいればなんとかなるんじゃん? っていうか、そこはなんとかしますとも。まずはさ、心配症の両親の説得じゃない?」