「何これ……」
 心拍を伝えるアラートがやけに早足で鳴りっぱなし。そして、不整脈を伝えるアラートも鳴りっぱなし。
 何これ……。
 リィの携帯にかけると、室内に着信音が鳴り響いた。ロフトから、やけに暢気で単調な曲が聞こえてくる。
 携帯、持ってないのっ!?
 持ってないものを鳴らしても仕方ない。
 クローゼットからバッグを取り出し、内ポケットに入れてあった仕事用のインカムを取り出し装着した。しかし、どのチャンネルでやり取りされているのかがわからない。ひとつずつ試していくなんてことはせず、直接警備室に連絡を入れた。
「お疲れ様です、若槻です。至急、妹がいる場所を教えていただきたいのですが」