ツカサの教室に着いてみると、すでに教室はもぬけの殻だった。
 廊下にいた人の中にもツカサの姿はなく、通りすがりの人が早くにホームルームが終わったことを教えてくれる。
「……生徒会室はどうかな?」
 一度かばんを取りに教室へ戻ると、帰る間際の桃華さんに声をかけられた。
「どこへ行ってたの?」
 ツカサを探している旨を伝えると、
「今日は生徒会もないから部活じゃないかしら?」
 部活……。
 さすがにそこまでは行く気にはなれない。
 もちろん、ツカサの袴姿や弓矢を射る姿は見たいわけだけど、部活の邪魔をしたいわけではないから。
 今日は諦めよう……。