「な、に……?」
 こんなふうに改まられると変に緊張して身構えてしまう。
「俺……途中から知ってた。会長が朗元であることも、リィと面識あることも」
 その言葉に力が抜ける。
「もう、やだ……。唯兄、驚かせないで? 今日はいったいどれだけ驚かなくちゃいけない日なのかハラハラしちゃった」
 本当に力が抜けて、起こしかけた身体を再度ベッドに横たえる。
 横になったまま唯兄を見ると、「本当にごめんなさい」という顔をしているから少し困った。
「唯兄、朗元さんが会長であることを知っていた人はほかにもいたよね?」
「いたけど……」
 実際には誰が知ってたのかな……。
 考えてみたら、このときまで人数を数える余裕もなかった。