彼女の警護にあたるのなら、彼女の交友関係まで徹底してインプットしてしかるべき。
 対象に振り回されるなど言語道断。
 俺は一緒にいる相手が木田さんとわかると、心なしかほっとした。
 木田さんは静さんの直下といっても過言ではないし、彼女の身体のことも粗方把握してくれている。
 あの人が一緒なら大丈夫だ……。
 その後、彼女のバイタルは徐々に落ち着き始め、彼女を示すGPSは白野へと向かって動き始めた。

 会議が終わると、人がいなくなった会議室で蔵元とふたり情報収集に努めた。
 警護班の履歴からわかることで引っかかることがあった。