光のもとでⅠ

 漠然としか理解していなかったものが、少しずつくっきりと輪郭を現し始める。
「ハイリスクハイリターンとはよく言ったもので、オーナーの庇護下に入れば藤宮警備の中でも最上位の警護がつく。まず、そんじょそこらの誘拐犯ごときは手を出せない。近接警護ならひとりふたりで足りるけど、警護対象者に極力ストレスを与えないようにある程度の距離を置いて警護する場合は複数人で編成されたチームが配属される」
「ゆ、唯兄、ちょっと待って……私、話についていけない」
「うん、でも聞いて。オーナーがずっと碧さんのことを好きだったのは知っているよね?」
 私と視線が合うと、唯兄は続きを話し始めた。