「朝一がフリーの人間はこぞって来るに違いない」
 自信ありげに時田くんが言う。
「翠葉ちゃんたちが抜けたあとも客足を途絶えさせないためにもタイムセールとかやるし、逐一集客のための情報を配信していくよ」
 手際の良さに唖然としてしまったけど、来場者数やポイントを獲得するためにはここまでやらないとほかのクラスと差をつけることはできないんだ、と妙に納得してしまう。
「翠葉ちゃん、楽しもうねっ!」
 香乃子ちゃんの笑顔に心がほわ、とあたたかくなる。
 緊張よりも、楽しもう、という気持ちが強くなる。
 人の笑顔は魔法みたいだね――。