テスト最終日の火曜日には、数値の変動もなければ彼女が図書室を出てミネラルウォーターを買いに行くこともなかった。
 その行動を取り始めたのは水曜日から。
 夕方に必ず休憩を入れろ、と湊ちゃんに言われたあとからだ。
 その翌日には服用を開始し、「眠れないから休みたくない」と噛み付いた。
 合点がいく……。
 気づいた時点で湊ちゃんに連絡を入れた。
 入れた……というよりは、問い質しに行った。
 気づいているのか気づいていないのか。気づいているのならなんで止めないのか、気づいていないのなら、なんのための装置なのか。
「気づいてるわよ、私も相馬も栞も……」
「じゃぁっ、なんで止めないっ!?」