一時間休むように、と半強制的にこの部屋へ押し込まれるけれど、私はいつも四十五分で起きる。
 あとの十五分は秋斗さんにお茶を淹れる。
 この休憩時間に毎回熟睡できるわけではない。
 けれども、ときどき深い眠りに落ちることがある。
 そんなとき、起きてすぐに会計の仕事には戻れないから、十五分前には起きるようにしていた。
 お茶は場所を提供してくれる秋斗さんへのお礼。
 お礼といっても、お茶を淹れることしかできないのだけど……。
 ダイニングテーブルにカップを置くと、
「ありがとう。ここに仕事場を作って良かった」
 にこりと笑って秋斗さんはカップに口をつける。