光のもとでⅠ

「そのさ……話を聞いちゃって申し訳ないとは思うんだけど、そのうえで俺の意見を言わせてもらってもいい? ――俺、結構ショック。翠葉ちゃんが中学のときにどれだけ嫌な思いしてきたかは知らないけど、少なくともうちのクラスには翠葉ちゃんを仲間はずれにするような人間はいないし、誰もが翠葉ちゃんを好きだと思ってると思う。その気持ちが届いていないのは正直悔しいよ」
 藤宮先輩……高崎空太、勝手に加勢させていただきますっ!
「……だから基本姿勢は藤宮先輩と一緒。俺も戦線布告――そんなことが理由で翠葉ちゃんが必要以上にがんばるんだったら、俺も止める。止めても翠葉ちゃんをひとりにするつもりはないから」
 翠葉ちゃんは、戦線離脱した人間は後方部隊で人の手当をできるって知らないかな。
 知らないなら教えてあげたい。
 すっごく勇気がいったけど、彼女の前に手を差し出した。
 まだ怯えてお兄さんの後ろに隠れている彼女に手を差し出した。