「大丈夫?」
 茜先輩が声をかけると、
「茜先輩、カイロ持ってましたよね? 翠に持っていってくれませんか?」
 茜先輩はすぐにカイロをかばんから取り出し、封を切って駆けつけた。
 司はかばんの中からミネラルウォーターを取り出し、それを持って林へ戻っていった。
 なんで水なんか持ち歩いてるんだか……。
 さっぱりわけがわからない。
「あそこまでくると末期だな」
 海斗がそう言って笑う。
「海斗、何あれ」
 ぜひ説明を求む。
「翠葉、身体を冷やさないように極力常温のものしか飲まないんです。さらにはこの学校の自販機で売っているものだと、ミネラルウォーターしか飲めるもがない。スポーツドリンクですら、お水で割らないと飲めないって言ってました」
「なるほどね」