「だから、体調とどっちを優先したらいいのかわからなくなる……」
 枕元に置いたラヴィに手を伸ばし引き寄せる。
 ぎゅ、と抱きしめると少し安心する。
 ラヴィは真っ白ウサギのぬいぐるみ。
 大きさはクッションくらいで、抱えて抱っこするのにちょうどいい大きさ。
 さっき学校から帰ってきたとき、エントランスフロアで真下さんに渡されたのだ。
「若槻様からです」と。
薄いピンクとショッキングピンクの二重の不織布と透明のセロハンに包まれたそれは、銀色の太いリボンがかけられていた。
 家に帰ってきて一枚一枚包装を解いていくと、中にはこの子がいた。
 メッセージカードには、「俺が帰るまではこの子を俺と思ってね。名前はラヴィ」と書かれていた。
 本当のウサギみたいに毛が細くて可愛い。