チャペルの中はそれほどあたたかくはなかったけれど、外よりはあたたかかったみたい。
 陽が上がりきっていないこの時間は日陰が多く、少し風が吹くだけでも身震いしてしまう寒さ。
 昨日秋斗さんが座っていたテーブルには蒼兄と秋斗さんがいた。
「秋斗さん、おはようございます。昨日、気づいたら寝てて……起きたら朝でした」
「ごめんなさい」と言おうとしたら、
「うん、休めたようで良かった」
 と、先に言われてしまう。そして、
「ここに来た目的は?」
「……療養?」
「そう。だから、翠葉ちゃんが身体を休められたのならそれで良かったんだよ」
 にこりと笑われると、心の中で何かが溶ける気がした。