「記憶がなくても同じ感想なんだな?」
佐野くんだった。
「佐野くん、これっ!」
香乃子ちゃんがスポーツドリンクを渡すと、
「七倉サンキュ!」
それを受け取り、私の真後ろに座った。
「御園生はさ、一学期の球技大会のときもそう言ってたよ」
「一学期の球技大会でも……?」
「そうね……あの男に釘付けだったわ」
ふたりの言葉に頬が火照る。
「あのときはさ、翠葉ちゃん、うちのクラスも藤宮先輩もどっちも声出して応援してたじゃん」
希和ちゃんに言われたけれど、私にはその記憶がないわけで……。
どう返事をしたらいいのか悩んで、
「そうだったっけ……」
と、少し小さめの声で答えた。
「今回は応援しないの?」
希和ちゃんに顔を覗き込まれる。
佐野くんだった。
「佐野くん、これっ!」
香乃子ちゃんがスポーツドリンクを渡すと、
「七倉サンキュ!」
それを受け取り、私の真後ろに座った。
「御園生はさ、一学期の球技大会のときもそう言ってたよ」
「一学期の球技大会でも……?」
「そうね……あの男に釘付けだったわ」
ふたりの言葉に頬が火照る。
「あのときはさ、翠葉ちゃん、うちのクラスも藤宮先輩もどっちも声出して応援してたじゃん」
希和ちゃんに言われたけれど、私にはその記憶がないわけで……。
どう返事をしたらいいのか悩んで、
「そうだったっけ……」
と、少し小さめの声で答えた。
「今回は応援しないの?」
希和ちゃんに顔を覗き込まれる。