待ち合わせ場所が病院……?
 それに他言無用って……。
 ずいぶんと不気味な内容じゃないか。
「どうしたん?」
 環に声をかけられ、周りの音が耳に入りだした。
「ちょっと急用……」
「妹さん?」
「そんなとこ。……環、悪いんだけど、教授の資料整理代わってもらえないか?」
「珍しいな? 今まで誰かに代わってもらうなんてしなかったのに」
「……頼めない?」
「いいよ。その代わり、今度桃華ちゃん紹介しろよ」
 それはちょっと――。
「悪い、それは無理……」
「おまえってなんでそんなにガード固いのよ。妹のことといい、妹の友達といい」
「いや、妹はただかわいいから悪い虫をつけたくないだけ……」
「ひでぇ言われよう……」
 げんなりとした顔をしたが、環はすぐに悪魔のような笑みを浮かべる。