光のもとでⅠ

　栞さんがリビングに戻ってきて、
「お部屋のほうが楽みたいだから、玄関脇のお部屋に行ってもらえる？」
　その言葉にはじかれたように飛鳥が駆け出す。
「翠葉ーっっっ！　会いたかったよおおおっっっ！」
「あのバカっ、マンションで走るな」
　と、佐野がすぐに飛鳥のあとを追う。
　海斗はホームグラウンドだからか、妙にのんきに構えていた。
「騒がしくしてすみません……」
　栞さんに一礼し、私たちも翠葉の部屋へと向かった。
　案の定、飛鳥はびっくりしている翠葉に抱きついていたわけで……。
　それを手早く引き剥がし、
「飛鳥、相手は病人。OK？」
「うぅぅぅ……翠葉、ごめん」
「あはは、飛鳥ちゃんの充電は少し予想してたから大丈夫。想定内」
　翠葉は枕に背を預けてベッドに座っていた。
　一週間前より確実に痩せている……。