教室を出て朝陽に会う。
「相変わらずだな」
「うるさい」
「はいはい」
 そんな会話のみ。
 事務室へ行く途中、複数の女子に呼び止められた。行く手を塞がれたため、仕方なく対応する。
「何……」
「これっ、受け取ってください」
 女子の手には大小様々な包みがある。
 無言でそれらを見ていると、
「ごめんねぇ。今、見てのとおり、手、塞がってるからさ」
 なぜか優太が代わりに答えた。
「優太……頼むから火に油的な行為、発言は控えてっ」
 切実に訴えるのはケン。
 俺はため息をひとつつく。