*美鈴視点*


「……っぐ!!」


やった!あたった!


弓は見事に獣人のおばさんの胸のところに刺さった。一瞬勝利を目にした。


しかし


「…ふ……ふふふ…ふふふふふっ!!!」


「?!!」


「弱い!!弱すぎる!!お前はまだ未熟者すぎる!!はっはっはっは!!!」


胸に弓が刺さったまま、高らかに笑い始めた。


なんで?!弓は刺さってるはずなのにっ!!


「お前の術とやらは私には全くきかんっ!…こんなものっ!!」


弓はパキッと一瞬にして粉々になって消えていった。たぶんそれほど私の術は弱かったということだ。ほかの戦法を考えたけど全く思いつかなかった。


「もぅ逃がさん。お前は国に行って「後悔処刑」をされる運命なのだっ!!」


「後悔処刑」とは町の住民たちが集まったなかで処刑されること、首をスパッとみんなのまえで切られるなんとも惨い処刑だ。


私もおばあちゃんと一回だけ見たことあるけど、あまりに惨すぎてトラウマだ。


「そうだ、二つ選択肢やろぅ。一つは後悔処刑されて死ぬか、もう一つは私に殺されるか、さぁ好きな方を選び。ただし、10秒で決めろ」


「そんなのどっちも嫌よ!!」


「なら今ここで死ねぇ!!!」