ヴァンタン

「実は屋根裏部屋にあったベッドはそのお姉さんの物だった」


――えっ!
と思った。


――そうかだからあのベッドは彼処にあったのか。

私は泣いていた。
子供を亡くした母の悲しみが私の体に蠢いた。


体の隅から隅まで、その悲しみで埋め尽くされようとしていた。




ハイジやアンに憧れる少女は多い。
母もその一人だったのだ。

だから自宅に屋根裏部屋を作った。

母は亡くなった娘を永遠の世界で生かせたかったのだろう。


私はもう一度あの屋根裏部屋で寝たいと思った。
お・ね・え・さんを感じながら……