「貴之」
 美葉が思わず声を上げる。

 だが、貴之はそれに構わずハサミを入れ続ける。


「前から、随分分厚いな、と思ってたんだ」


 ジョキン、と切り終えた音が部屋に響く。

 コースターの切った箇所から、何か白い物を取り出す貴之。



 それは、手紙だった。