砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「これ、解毒剤」


 言うと、ドロリとした苦いものが口の中に入ってきた。


……いやっ


 思い切りむせる。


「仕方ないな」


 ちっとも仕方なくない声がして、今度は温かい何かで唇が塞がられる。


 むせる間も拒絶する余裕すら奪われ、毬の喉に先ほどの液体が再び注ぎこまれる。


 半ば無意識に舌で拒絶しようとしたその時、熱い何かが舌に絡んできた。


 舌を舐められるという初めての衝撃に、毬は動揺を隠せない。
 しかも、それは必要以上に執拗に続けられる。


 甘く痺れるような感覚が身体を突き抜けていく。


「龍……」


 鼻腔に入る香の薫りが毬の記憶を呼び覚ました。


 が、同時に薬が効いてきたようで、毬の意識は深い闇に引きずりこまれてしまった。

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