ガチャリ。 「ゆりーっ、花園来たぞーっ」 家の中に向かって藤堂くんは呼びかける。 「はーい!」 二階からだろうか、はるか遠くの方から声がした。 「お、おじゃまします!」 妹さんにも聞こえるように声を張り上げて玄関に足を踏み入れた。