「おぅ、花園おはよ」 私に気がつくと、藤堂くんは片手をズボンのポケットから出して上げた。 「うん、おはよう」 「行こっか」 「うん」 眈々としたやりとりが続いた。 お互い私服だとなんだか慣れなくて照れる。 藤堂くんもそうだろうか、あまり目を合わせようとしなかった。 チラッと藤堂くんの私服姿を盗み見る。 ストライプのシャツにパーカー、胸にはエメラルドグリーンのループタイがさげられていた。 なんか、予想以上にオシャレ。 そのせいで余計ドギマギしてしまった。