卓上彼氏








そんな私が世間の目を気にするようになったのは中学生になってから。






二次元の魅力を教えてくれたその友達とは別々の中学校になってしまったから、早速新しくヲタク仲間を見つけて仲良くなって、充実した毎日が始まった。




けれど。







クラスの中心的女子が放課後教室でたむろしていたときの会話を一度だけ聞いてしまったときがあった。






それは、私たちヲタクの悪口だった。








「アニヲタとかホントキモくない??萌え~とか言ってんでしょ?マジキモっ」




「陰キャタヒれマジタヒれし」




「てかヲタって髪洗ってんのかなぁー?超不潔感漂ってない?」







キャハハハハ……………






彼女たちの声はいつまでも私の耳に残っていた。







―――――あんな風に思われてたんだ。






初めて知った。


ショックだった。










仲間内で盛り上がっていただけで、周囲からは孤立してたんだ。





よく考えたら私、年頃の女の子がするようなショッピングとかプリクラ撮ったりとかコンサート行ったりとか恋したりとかしてなかった。




オシャレなんか考えたことも無かった。






年頃の女の子の楽しみを何一つ経験できていなかった。





そういう華やかな世界も、経験してみたい!







そう強く願ったその日から、私は変わった。