教室ではいつも通り、藤堂くんと私が関わることはなかった。
ただ、席が斜め前後の関係だから、前よりかは話すようにはなった。
「それで金子がまじやべぇの!!面白すぎだろーっ!」
ギャハハハハハハ!!
窓ぎわで男子が戯れていた。
その中から、なぜか藤堂くんの声だけはっきりと聞こえる。
「男子ってつくづくバカだよねーっ、高校生になってまであんなわらわら集まっちゃって。やっぱ年上男性に限るわ~っ」
友達は私の机の上に上半身を乗り出しながらため息をついた。
私は何も答えず窓ぎわを見つめながらいちごみるくを飲んだ。
「————あれっ?もしかしてみかみ男子高校生オッケー派?!」
「や、むしろ(三次元の)男子にときめかないや」
「え゛っじゃあ女子?!?ごめんアタシちょっとそういうのは……」
友達が椅子を一歩分引いてから身震いするから、私は慌てて訂正した。
「あっ、ちがっ、そういう意味じゃないからぁーっ!」
「きゃーっ、きゃーっ!みかみに襲われるっ!」
「こらっ!」
そんなこんな友達ときゃっきゃやっていたら、窓ぎわの藤堂くんと目が合った。


