「ヨク……ごめんね…。私ヨクの気持ち全然考えられてなかった」
ヨクは驚いた顔をしてからこう言った。
「どうしてみかみが謝るんだよ。俺が悪いのに」
私はふるるっと顔を左右に振った。
「ううん、子供みたいに怒ってばっかで、どんな気持ちでヨクがああいう行動してくれたのかは何もわかってあげられてなかったの。あんな大事故になったことはもう充分ヨクも反省してたのにね。だから………」
だから…と続けて、でもなんだかずっと話し続けてしまいそうで続きを言うのはやめることにした。
「だから?」
ヨクはキラキラした瞳を向けて首をかしげた。
「ヨク、目、十秒間つむって」
「?…わかった」
ヨクは言われるがままに目を閉じた。
その瞬間、私は液晶画面に向かって顔を近づけた。
ちゅっ。
「~~~~~~~~ッ?!!!////////」
ヨクはばっと目を開くと初めてキスされた女の子みたいに顔を真っ赤にして口に手をやった。
「な、な、な、な…」
「ヨク可愛い、顔真っ赤にしちゃって女の子みたい」
私はクスクスと笑った。
普段は私より大人っぽいヨクがこんなにも動揺してると、まるで立場が逆転したみたいでどうにもおかしかった。


