その日の午後は、授業も部活もうわの空で、ずっとヨクのことを考えていた。 ヨクは、ただ私のためを思って必死だったんだ。 私の母に早く会わせてあげたいって、ただそれだけだったんだ。 私は目先の事故に目が奪われるだけで、そういうヨクの純粋な優しさには全然気づけてなかった。 ヨクだって充分反省してるのに、なんで私だけこんなに意地はってんだろ。 ——————ヨクを許して、私もヨクに謝ろう。 そう決心した。