「ねぇ…彼氏がさぁ、自分のためにやり過ぎなことしてくれたことある?」
その友達は私をじっと見つめたあと、何を考えたのかしばらくしてから口を開いた。
「あったよ、そーゆーこと」
私には、その友達が『えっ?!もしかしてみかみ彼氏いるの?!』とかをきいてこないことがありがたかった。
「例えば?」
「私の誕生日にね、サプライズがしたかったらしくて、夜に公園で花火組み立てたやつに着火してくれたの。『ハッピーバースデー』って文字が浮き出る様に」
「へぇ~っ、ロマンチック!!全然やり過ぎじゃないじゃん」
ううん、というようにかぶりをふると、
「その火花がね、公園の草に飛んだりして引火して、ちょっとしたボヤ騒ぎになっちゃったんだよね…。周りにすっごい迷惑かけたし、もっと大事になってたら…って思うとゾッとする」
と身震いしてみせた。
……………私とヨクに似てる。
私はそう思った。


