ドッキ――――!!
慌ててスマホを掴んで顔の高さまで持ちあげる。
「!!!」
全身が画面に映ったヨクは、いつものストレートヘアでなくて少しワックスで毛先を遊ばせた全体的にスタイリッシュになった髪型になっていた。
そのいつもと違うギャップにプラスして服のコーディネートも完璧だった。
Vネックからは男らしい鎖骨の形がのぞき、そこに光る銀のネックレスはとてつもない色気を演出していた。
―――――や、やばい……、かっこ良すぎる……///////
「?どうしたの?」
ヨクは挙げていた片手をさげると画面の中でこちらに近づいてきた。
「っと…やっ、お、おはよう」
ずいぶん変な挨拶になってしまった。
見とれすぎて口がうまく動かない。
「ねぇ、ちょっとこのケータイどこかみかみの目の高さくらいのところに立て掛けてみて」
唐突にヨクは要求をしてきた。
「へ?あ、うん、わかった…」
理由のよくわからないまま、私は言われたとおりにスマホを時計台の突起部に立て掛ける。
「じゃあそのままゆっくり離れてって~、俺がストップって言うまで」
「???う、うん」
疑問符でいっぱいになりながら、私は一歩一歩下がっていった。
今思えば、きっと周りの人には異様な光景に見えたことだろう。
でもその時の私は全くそんなこと考えていなかった。
「はいストップ!」
ピタッ。
ヨクの命令通り私はそこで静止した。
見ると、ヨクは口に手をやってうつむいていた。
「えっ、どうしたの?!大丈夫??」
私は驚いて駆け寄る。


